「朝のコーヒーがないと仕事が始らない」という方は多いはず。しかし、急いでいる時に限ってカップからコーヒーがこぼれてしまうこと、ありますよね。
実はこの「コーヒーをこぼす」という日常的な現象を大真面目に研究し、2017年にイグ・ノーベル賞(流体力学部門)を受賞した研究があるのをご存知でしょうか?

1. 犯人は「円柱型のカップ」だった?
研究を行ったのは、ジヴォン・ハンさん。彼が高校生の時に取り組んだこの研究では、特殊な装置を使って人間が歩く時の振動を再現し、容器による液体の揺れ方を分析しました。
- ワイングラスの場合: 表面に穏やかな波ができるだけ。
- マグカップ(円柱型)の場合: 激しく波打ち、すぐにこぼれてしまう。
私たちが普段使っている円柱型の容器こそが、実は最もこぼれやすい形状だったのです。
2. 科学が導き出した「こぼさないための珍対策」
かといって、職場でワイングラスを使ってコーヒーを飲むわけにはいきません。そこでハンさんは、流体力学の観点からいくつかの解決策を提案しています。
- 「かぎ爪の姿勢」で持つ:コップを上からつかむように持つことで、振動を抑える。
- 泡のレイヤー(ラテ)にする:表面の泡がクッションになり、波の発生を抑える。
- 後ろ向きに歩く:歩き方を変えることで振動の周期を変え、液面を安定させる。
3. 研究が教えてくれた「本当に大切なこと」

「後ろ向きに歩けばこぼれない!」という結論に対し、ハンさんは授賞式でこう断言しました。
「この方法が実用的か疑問に思う人もいるでしょう。全く実用的ではありません。そもそも、こぼさないために『ふた』があるのですから」
場内が笑いに包まれる中、彼は最後にこう締めくくりました。
「この研究から一つ大事なことを学びました。「研究は年齢も頭脳も関係なく、どれだけコーヒーを飲めるか(=どれほど研究に粘り続けられるか)がすべてです。たくさんコーヒーを飲んで、ちょっとした『悪運』に恵まれれば、誰だってこの授賞式に来られるのです」
💡 授業で使えるヒント
このエピソードは、理科の授業で**「流体力学」や「波の性質」**を教える際の最高の導入になります。
- 生徒への問いかけ: 「なぜ後ろ向きに歩くとこぼれないと思う?」と、物理的な理由を考えさせる。
- 科学の姿勢: 「役に立つかどうか」だけではなく、「なぜだろう?」と突き詰める探究心の大切さを伝える。
理科の先生方、プリントの余白に載せるネタにどうぞ!

コメント