筆者は、令和7年度のさいたま市教員採用試験に合格しています。
さいたま市の2次試験(面接や口頭試問)では、受験者1人につき、面接官が3人います。
①生徒指導に関する質問 ②受験した専門科目に関する質問 ③保護者対応や、校務分掌について、など、それぞれ異なる事柄についての質問をします。
今回は、②の受験した専門科目に関する質問について、まとめました(過去出題歴あり)
ここに書いてある知識は、最低限、質問された際に滑らかに答える必要があります。重要なのは、回答例を丸暗記せず、自分なりに解釈し、言葉だけで人に説明できるように理解することです。
練習のときは、言葉遣いを気にせず、(〇〇は~〇〇でー、だから~といった具合にフランクに)とにかく自分の言葉で反復するしかありません。
1. 地学分野
問:初期微動継続時間とは何か。また、そこから何がわかるか。
- 回答例: P波が到達してからS波が到達するまでの時間のことです。震源までの距離を測ることができます。
- 解説: 地震波には速いP波(初期微動)と遅いS波(主要動)があります。これら2つの波の速度差を利用し、「初期微動継続時間(PS時間)が長いほど、震源から遠い」という比例関係が成り立ちます。複数の観測地点でこれを測定すれば、震源の位置を特定することも可能です。
問:北半球で台風が反時計回りに渦を巻く理由は?
- 回答例: 中心へ向かう風が、地球の自転による「コリオリの力」で右に曲げられるためです。
- 解説: 台風は強い低気圧であり、周囲から中心に向かって空気が流れ込みます。しかし、地球が自転しているため、動いている物体には「コリオリの力」という見かけ上の力が働きます。北半球では進行方向に対して右向きの力を受けるため、中心に直接向かうのではなく、右に逸れながら巻き込む結果、反時計回りの渦となります。
2. 化学分野:電池の仕組みと化学結合
問:ダニエル電池の特徴を詳しく説明してください。
- 回答例: 2種類の電解液を素焼き板で仕切り、分極を防いだ実用的な電池です。
- 解説 : 負極に亜鉛(硫酸亜鉛水溶液)、正極に銅(硫酸銅水溶液)を用います。
- 反応: 亜鉛が溶けて電子を出し(Zn→Zn2++2e−)、その電子が導線を通って銅板へ移動。溶液中の銅イオンが電子を受け取り銅として析出します。
- ポイント: ボルタ電池で課題だった「水素の発生による電圧低下(分極)」を、銅を析出させる反応に変えることで解決しました。
- 工夫: 素焼き板はイオンの移動を許容し、電荷の偏りを防ぎます。起電力を安定させるには、負極側(ZnSO4)を薄く、正極側(CuSO4)を濃くするのが定石です。
問:イオン結合と共有結合の違いは?
- 回答例: 電子を共有して結びつくのが共有結合、電子の移動による静電気力で結びつくのがイオン結合です。
- 解説: * 共有結合: 非金属元素同士に見られ、互いの電子を出し合って「電子対」を共有することで安定します。非常に強い結合です。
- イオン結合: 金属(陽イオンになりやすい)から非金属(陰イオンになりやすい)へ電子が完全に移動し、プラスとマイナスの引き合う力で結合します。水に溶けると電離しやすいのが特徴です。
問:酸化還元反応とは何か、例を挙げて説明せよ。
- 回答例: 一方の物質が酸化(酸素を得る)し、同時に他方が還元(酸素を失う)する反応です。
- 解説: 酸素の受け渡しに注目すると分かりやすいです。例えば「酸化銅と炭素の反応」では、炭素が酸素を奪って二酸化炭素(酸化)になり、酸化銅は酸素を失って銅(還元)に戻ります。原子レベルでは「電子の受け渡し」として定義されます。
3. 物理分野:力学とエネルギーの法則
問:ニュートンの運動の三法則について説明せよ。
- 回答例: 慣性の法則、運動方程式、作用・反作用の法則の3つです。
- 解説:
- 第1(慣性): 外部から力が加わらない限り、今の状態を維持しようとする性質。
- 第2(運動方程式): 力F、質量m、加速度aの関係を示す F=ma。力が大きいほど、質量が小さいほど加速します。
- 第3(作用・反作用): 力を加えると、必ず同じ大きさで逆向きの力を相手から受ける法則。壁を叩くと自分の手も痛いのはこのためです。
問:ドップラー効果とは何か。
- 回答例: 音源や観測者の移動によって、聞こえる音の高さ(周波数)が変わる現象です。
- 解説: 救急車が近づくときは音の波が圧縮されて高く聞こえ、遠ざかるときは波が引き伸ばされて低く聞こえます。これは音だけでなく光(赤方偏移など)でも起こる、波に共通の現象です。
問:交流(AC)と直流(DC)の違いは?
- 回答例: 電流の向きと大きさが一定なのが直流、周期的に変化するのが交流です。
- 解説: 乾電池は常に一定方向へ流れる直流ですが、家庭用コンセントは交流(東日本50Hz/西日本60Hz)です。交流は電圧の変圧が容易であるため、発電所から効率よく送電するのに適しています。
問:速度と速さの違いは何ですか
- 回答例「速さ」は移動の勢いのみを表すスカラー量で、「速度」は速さに移動の向きを加えたベクトル量です。
- 解説物理学では、量を2つの種類に区別します。
- スカラー(速さ): 「大きさ」だけの情報(例:時速50km)。
- ベクトル(速度): 「大きさ + 向き」の情報(例:東向きに時速50km)。
4. 生物分野
問:細胞分裂の観察で、タマネギの根をうすい塩酸で処理する理由は?
- 回答例: 細胞をバラバラにして重なりをなくし、観察しやすくするためです。
- 解説: 植物細胞は「細胞壁」で隣り合う細胞と強固に接着されています。塩酸で処理(解離)することで、この接着物質を溶かし、一層の細胞に広げやすくします。また、この工程には「細胞を死滅させて生命活動を止める(固定)」という役割もあり、特定の分裂段階を静止状態で観察することを可能にします。
問:光合成と呼吸のプロセスを説明せよ。
- 回答例: 光合成はエネルギーを蓄える過程、呼吸はエネルギーを取り出す過程です。
- 解説:
- 光合成: 葉緑体で光エネルギーを使い、二酸化炭素と水から有機物(デンプン)を合成します。
- 呼吸: 細胞内のミトコンドリアで有機物を分解し、生命活動に必要なエネルギー(ATP)を取り出します。呼吸は植物も動物も24時間行っています。
問:DNAとRNAの違いを説明せよ。
- 回答例: 構造(二重か一本か)と、含まれる糖や塩基の種類が異なります。
- 解説: DNA: 遺伝情報の「設計図」本体。二重らせん構造で安定しており、塩基はA・T・G・C。糖はデオキシリボース。
- RNA: 設計図を元にタンパク質を作る「伝令」などの役割。一本鎖で、塩基はTの代わりにU(ウラシル)を持ち、糖はリボースです。
問:免疫の基本的なメカニズムを説明せよ。
- 回答例: 異物を直接食べる「自然免疫」と、特定の敵を狙い撃つ「獲得免疫」の2段構えです。
- 解説: 1. 自然免疫: 食細胞(マクロファージ等)が侵入した病原体をすぐにパクパク食べて処理します。 2. 獲得免疫: 一度侵入した敵の情報を記憶。B細胞が「抗体」を作ったり、キラーT細胞が感染細胞を直接破壊したりして、より強力かつ特異的に排除します。
専門分野で最も大事なことは
「分かってる風に答えないこと」
なんとなく、怪しいけど、確かじゃないけど、で答えている人は絶対バレます。周りの受験者はそれが原因で落とされています。
そのため、専門分野の面接では知っている知識が問われないといけないのです。
しかし、そこまで高難易度な物はありません。不安な人は、図書館へ行き、「〇〇基礎」(高校生向け)をパラパラめくり、目に留まりやすく大きく書かれたページを、自分でノートにまとめたり、誰かに豆知識として披露するのが、良いかもしれませんね。


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